基礎工事業の教育が必要であり 重要な背景
基礎工事とは、まさに住宅の「基礎」となる構造体をつくる重要な工事です。
基礎工事の良し悪しがその後の工事の質に大きく影響し、建物全体の品質を決めると言っても過言ではないでしょう。
そして、基礎工事は幅広い工事です。杭打ちに始まり、型枠工事、コンクリート工事、そして鉄筋工事など、基礎工事に含まれる工事は実にたくさんあります。これら一つひとつの工事は極めて専門的ですが、基礎工事業者が全ての工事を担ってしまっていることによってそれぞれの工事の質を保つことができない。このことは、基礎工事業界の長年の課題でした。
広島県住宅基礎協会では基礎工事に必要な専門知識を学ぶための教育制度を設け、基礎工事に携わる人材の技術向上を目指します。質の高い基礎工事が、住宅の安全と住む人の安心を実現します。
講師紹介
《講師》菅谷憲一
一般財団法人 ベターリビング
つくば建築試試験研究センター 試験研究推進役
博士(工学)・技術士(建設部門)
一級建築士・構造設計一級建築士・構造計算適応性判定員
地盤品質判定士
元・第一工業大学 工学部 建築デザイン学科 教授
(平成28~30年度)
教育内容
01.バイブレーターの掛け方
基礎業者が質の高いコンクリートの仕上がりを実現するために、正しいバイブレーターの掛け方を学びます。 型枠内に打ち込んだコンクリートを均質に充填させるために、振動機(バイブレーター)で振動を与えて内部の気泡・水分を追い出して締固め作業をします。バイブレーターは正しい角度で生コンクリートに差し込み、適切な間隔を保って作業することによって品質の高いコンクリートの仕上がりになります。
02.レベラーの施工方法
正しいレベラーの施工方法を学びます。 基礎コンクリート打設後にコンクリートの仕上げ剤であるレベラーを施工しますが、適切な施工が行われていないと強度や仕上がりに影響します。レベラーは基礎コンクリートが硬化した後に施工するものであり、流し込む前の下地処理は重要な工程なので、レベラーが仕上げ剤として十分な効果を発揮するための一連の作業をあらためて確認します。
03.生コンクリートへの加水禁止
生コンクリートへ過剰に水分を加えることによって起きる弊害を学びつつ、正しいコンクリートの施工を身につけます。 コンクリートは「セメント」と「砂」と「砂利」そして「水」を混ぜ合わせてつくります。 それぞれの適量は規定によって決まっていますが、中には作業性をよくするために必要以上に水を加えてしまう業者もあり、結果としてコンクリートの強度が落ちてしまうこともあります。コンクリートは“生もの”であり、正しく施工することによって最高の強度を発揮します。自己判断で分量を変えてしまうことはコンクリートの質を下げるだけではなく、建物全体の安全性を大きく損ねてしまいます。
04.剥離剤の散布方法
正しい剥離剤の散布方法を学びます。 打設したコンクリートが型枠に付着しないようにあらかじめ型枠に剥離剤を散布します。コンクリート施工において剥離の良し悪しが表面の仕上がり及び作業性にも影響します。剥離剤の散布方法としては直接塗る方法とスプレーを用いた方法があり、いずれも適量を守って正しく塗布することによって剥離剤としての効果を発揮します。
05.鉄筋の組み方
ベタ基礎の内部に施工する鉄筋の正しい組み方を学びます。 現代の住宅の基礎では、コンクリートの中に鉄筋が入るベタ基礎が主流です。鉄筋工事では、「かぶり」と呼ばれる、中の鉄筋表面からコンクリート表面までの距離が正しく保たれていることによって鉄筋の錆を防ぎ、コンクリートの強度が守られます。
受講者へのライセンス発行
広島県住宅基礎協会が提供する教育プログラムを受講した人にライセンスを発行いたします。ライセンスは基礎工事に必要な一定の技術を保有しているという証明になるので、仕事の受注がスムーズになります。